精密板金加工の豆知識

レベラー

いざというとき頼りになる奴です。

レベラーといわれる機械です。

板をタレパンで抜き加工をした後、通常はベンダー(曲げ)の工程に進みますが、タレパンでの抜きの形状等により板が反ってしまうことがあります。
通常のタレパン工程でも多少の反りというものは加工方法の性質上どうしても生じてしまうものなのですが、この反りがひどくなると製品として問題が出てきてしまいます。

この板の反りはタレパンが板をせん断しながら穴を開けていくことに起因します。せん断時の応力が空けた穴周辺の板材に変形を及ぼしてしまうのです。
一つ一つの穴の変形は小さいですが、穴が非常に多い製品になると製品全体が歪んでしまう(反る)ことになります。

反り対策としては
  • せん断応力を分散させるために抜きの順番を工夫する
  • せん断応力を減らすためにクリアランスがやや小さめにする
  • せん断応力を減らすため金型の研磨を行う
  • せん断応力を分散させるため同時にいくつもの穴加工ができる連型を使用する
  • せん断時の変形を矯正するためにダイ表面にRをつける

などなど多岐にわたります。

ただ、これだけの対策を講じていてもどうしても反りが出てしまう場合があります。
その際に活躍するのがレベラーという機械です。
レベラーにはローラーが多数配置されおり、その中を板が通っていきます。
タレパン加工で反ってしまった板はローラーに挟まれ、その力で板のゆがみを平坦に矯正していきます。

通常はタレパン工程で歪みがでないような加工方法を取りますが、それでもどうしても歪み(反る)がとりきれない場合には頼りになります。

level_pict01レベラー。
写真の緑や赤のボタンでローラー位置を上下させ、板の反りの矯正具合を調節します。
level_pict02このテーブルから反った板を挿入すると、反対側から反りが矯正された板が出てきます。